堅調推移は続いているものの、本稿執筆時はやや頭打ち…。ただし決して崩れているわけではなく、上昇分を吐き出したに過ぎない。いわゆる揺れ動きといえるだけに、まだ方向感が定まったと判断するわけにはいかないだろう。
ただ短期サイクル的には、すでにいい水準まで押した印象は強い。特に60分足・一目均衡表ではその雲上限に押し戻されており、その雲が下値を支える可能性は否めない。それでいて60分足MACDはすでに0ラインに到達している。ただし舳先を下方向に向けたままということを踏まえれば、どちらが上回るかで方向感が180°変わる分水嶺と見ておくべきかもしれない。
以上を踏まえて当面のポイントは、
(1)引き続き、12日安値2860.7ドルを下値支持線、3000ドルの大台ラインを上値抵抗線とする。
(2)前記支持線を下回るまで、上方向を志向する。ただし下回ると、昨年12月19日以降の上昇に対する38.2%押し2814.9ドル/2800ドルの大台を経て、同半値押し2771.4ドルへと押し戻される展開が想定されるところだ。さらに下回ると、同61.8%押し2727.8ドル/2700ドルの大台を一つ一つ確認しつつ、1月6日安値2614.1ドルに向けて動き出さないとも限らないが、過熱感・往き過ぎ感を除けば特段の下げ要因は見当たらない。いつポジション調整に押されないとも限らないが、現時点の材料ではあくまでポジション調整の一環と見ておくべきだろう。
(3)わずかながらも史上最高値をさらに更新しているなど、「往きつくところまで」はまだ継続している。それでも値幅そのものは極端に小さくなっているなど、上値の重さは如何ともしがたい。安易に頭打ち→反落と決めつけるわけにはいかないが、上方向へのメリットよりも下方向のリスクが増加しているということは、やはり認識しておきたいところだ。
(16:00)
シルバー日足・60分足分析《一目均衡表・MACD》
緩やかながらも、こちらはほぼ右肩下がりだ。トランプ関税を巡る不透明感は燻っている中、米景気悪化を示唆する米経済指標も相次いでおり、センチメント悪化が実需としての用途を持つシルバーに重く圧し掛かっている模様だ。
もっとも短期サイクル的には、こちらもそろそろいい水準まで押した印象は強い。特に60分足MACDが0ラインを下回る水準で、緩やかに舳先を上方向に向けている。そうなると雲下に押し出されたままの60分足・一目均衡表にしても、その雲との乖離具合が意識されてもおかしくないところだ。もう一段押さないとも限らないが、それでもこちらもポジション調整の一環と見たいところだ。
以上を踏まえて当面のポイントは
(1)引き続き、17日安値31.807ドルを下値支持線、20日高値33.198ドルを上値抵抗線としつつ、放れた方向にはついていきたい。
(2)前記支持線を下回るまで、上方向を志向する。ただし下回ると、昨年12月31日以降の上昇に対する38.2%押し31.618ドル/大台と近い同半値押し31.072ドルを経て、同61.8%押し30.526ドルを窺いかねない点には注意が必要だ。さらに下回ると、30ドルの大台ラインを経て、1月13日安値29.497ドルに向けて動き出さないとも限らないが、
そのためには日足・一目均衡表の雲を下回る必要があるなど、まだ障害は多い。過熱感を除けば主だった下げ要因が見当たらない現状を踏まえれば、崩れるためにはかなりのネガティブが新たに必要と見ておきたいところだ。
(3)19日高値をわずかに上回ったものの、前記抵抗線はまだ上値メドとして意識されている可能性は高い。それでも14日高値後の下落に対する半値戻し/61.8%戻しはクリアしているだけに、勢いづきつつあるのは事実だ。それだけに現在は上値の重さが目立つなどポジション調整に押されているが、明確に上回るとその14日高値33.386ドルは目の前となるだけに、昨年10月31日高値33.886ドルを窺わないとも限らない。過度な期待は禁物ではあるが、それでも期待はまだ残存していると見るべきだろう。
(16:15)
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