ほぼ横ばいとなった昨日終値から再び値を落としているものの、25日安値手前では下げ渋っている。米10年債利回りや緩やかに上昇、つれてドルもやや買い戻されているが、方向感はまだ定まっていないと見るのが妥当だろう。いわゆる膠着の中での揺れ動きであり、現時点では上値は重いが下値もしっかりと見たいところだ。
ただ短期サイクル的には、微妙な水準に差し掛かっているのは否めない。特に前記したように昨日安値手前に押し戻されている中、60分足MACDは0ライン手前から再び舳先を下方向に転じている。そうなるとその雲下限に達したところから反落している60分足・一目均衡表にしても、より上値の重さが意識されやすい。前記したように方向感はまだ定まっていないと見るのが妥当といえるが、割り込んだ際については事前に想定しておくべきだろう。
以上を踏まえて当面のポイントは、
(1)引き続き、12日安値2860.7ドルを下値支持線、24日高値2955.9ドルを上値抵抗線とする。
(2)前記支持線を下回るまで、上方向を志向する。ただし前記支持線までであればポジション調整の範囲内で押す可能性は鑑みておくべきだろう。そしてさらに下回ると、昨年12月19日以降の上昇に対する38.2%押し2814.9ドル/2800ドルの大台を経て、同半値押し2771.4ドルへと押し戻される展開も想定せざるを得なくなってくるが、冒頭で記したように現時点では支持線はおろか、25日安値にも届いていない。さらに下回ると、同61.8%押し2727.8ドル/2700ドルの大台を一つ一つ確認しつつ、1月6日安値2614.1ドルに向けて動き出さないとも限らないが、そのためには特段の下げ要因が新たに台頭する必要有と見たいところだ。
(3)史上最高値となる前記抵抗線まで、主だった上値メドは見当たらない。このため上回ると、3000ドルの大台ラインを経て、再び「往きつくところまで」へ回帰しかねない点には注意が必要だ。ただし高値圏であるという点は何ら変わっておらず、一昨日をピークに現在は上値の重さが目立っている。崩れるとは思わないが、再び上値模索に転じるには、まずは下値をしっかり固める必要があろう。少なくとも上方向へのメリットよりも、下方向のリスクの方がまだ増大したままであるということは、やはり認識しておきたいところだ。
(16:10)
シルバー日足・60分足分析《一目均衡表・MACD》
こちらはほぼ横ばいといった商状だ。値幅は小さく、それでいて小刻みに上下に振れている。底を打ったかはまだ定かではないが、少なくとも下げは一服したと見てよさそうだ。
もっとも短期サイクル的には、こちらも微妙なところに差し掛かりつつある。60分足・一目均衡表ではその雲にすでに接しており、それでいて60分足MACDは0ラインで舳先を鈍らせている。まだ下方向に向け始めたわけではないが、下方向に向け始めるとその雲が上値の重さにつながる可能性が否めない。一方で雲内への潜り込み→上抜けともなれば、一気に上値を模索しかねない分水嶺。短期サイクル的にはどっちにも振れかねないだけに、臨機応変な対応が求められることになりそうだ。
以上を踏まえて当面のポイントは
(1)引き続き、11日安値31.244ドルを下値支持線、20日高値33.198ドルを上値抵抗線とする。
(2)前記支持線を下回ると、大台とも近い昨年12月31日以降の上昇に対する半値押し31.072ドルが次の下値メドということになる。そしてさらに下回ると、同61.8%押し30.526ドルを窺いかねない点には注意が必要だ。ただし一昨日には前記支持線手前で下げ止まるなど、すでにいい水準まで下落した印象は強い。さらに下回ると、30ドルの大台ラインを経て、1月13日安値29.497ドルに向けて動き出さないとも限らないが、日足・一目均衡表の雲を下回る必要があることを踏まえれば、かなりのネガティブが新たに必要と見ておくべきだろう。
(3)19日高値をわずかに上回ったものの、前記抵抗線はまだ上値メドとして意識されている可能性は高い。ただ14日高値後の下落に対する半値戻し/61.8%戻しを相次いでクリアした形状からは、そう簡単に期待感が剥落することはないと見るのが妥当だ。直近の下落にて、過熱感も大きく減退した印象は強い。まだ下げ止まり→上値模索回避を確認できたわけではないが、期待感はより増していると考えたいところだ。
(16:25)
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