西本豪のFX初心者⇒中級者の教科書
FXは経済指標を使って取引を有利に進められる！？
「なんとなく見ている」や「重要な指標だけ気にしている」といった様々な意見があるかと思いますが、ここではFX初心者の皆様を中級者へと導くべく、経済指標をトレードに活かす方法についてご紹介させていただきたいと思います。
少し長いお話になっていると思いますが、最後までお付き合いいただけましたら幸いです。
1.そもそも経済指標って何？
経済指標とは、各国政府や調査会社により発表されている経済に関するデータのことで、そのデータは多くの経済アナリストやトレーダーが、景気の先行きや相場を分析する際に参考にしているものになります。
体で言うならば、身体検査や人間ドックの際に出てくる健康かどうかを確認する数値のようなモノだとお考え下さい。
指標によって重要度がある？
経済指標は、平日であれば、毎日のように世界中のどこかの国で何かしらのデータが発表されているのですが、その数は物凄い量になっています。その量はどれほどの数かというと、分析しようと全ての指標を追いかけようとすると、人生を掛けても追いつかないほど膨大な量になっているとお考えください。
そこでトレーダーたちは、数ある指標の中でも、特に現在の経済状況と未来の経済状況を明確に示す指標と、あまり明確に示さない指標とを分け、注目する指標と注目しない指標とに色分けしました。
その結果、現在では指標によって重要指標とされているものと、そうで無いものとで分けて考えられるようになってきて、重要度が高い指標になればなるほどトレーダーからの注目度が高くなり、当然、相場に大きな影響を与えるようになりました。
2.経済指標は市場予想とのギャップに注目
さて、経済指標に関してのご説明はこれくらいにしておいて、それでは早速、経済指標をトレードに活かす方法についてご紹介してみたいと思います。
指標の重要度と値幅の想定
経済指標をトレードに活かすためには、まず先ほどご紹介させていただいた、指標の重要度を知っておく必要があります。指標の重要度については、マネーパートナーズ様の方で提供されている以下のページを参考にされると良いです。
経済指標カレンダー（マーケット情報）
繰り返しになりますが、重要指標になればなるほど、トレーダーは注目しているので、相場が大きく動きやすい指標となります。
そこで、先ずは指標の重要度に合わせて、相場がどれだけ動くかを意識しておきます。
もちろん、重要度が低い指標でも大きく動くことがありますし、重要度が高くても全く相場が動かないこともあるので、あくまでも値幅のイメージ作りに重要度を使います。
予想を基準にして良いか悪いか
次に、経済指標には市場予想と言うものが用意されており、事前に経済アナリストたちが、どれくらいの数値が出るか予想しているデータが出ています。（当然、重要指標になればなるほど1人のアナリストの予想ではなく、世界中で沢山のアナリストが予想しているので、調べてみると面白いです。）
そして、そちらの予想を参考にしながら、発表される指標が良いか悪いかで値動きの方向性が決まってくるとお考えください。
つまり、市場予想よりも良い経済見通しとなる指標が出ていれば、その国の通貨は買われやすくなりますし、悪い指標が出れば売られやすくなります。
短期的にはギャップがインパクトに
指標による相場の方向性がわかったところで、最後に予想と発表結果のギャップについてご紹介させていただきます。経済指標は、予想された数値と、発表された数値との乖離、つまりギャップが大きければ大きいほど、トレーダーにとってみると予想外の結果が出たことを意味します。
例えば、予想は比較的良い経済状況を示す数値だったにも関わらず、実際発表された指標は悪い経済状況を示すものとなってしまっていた場合、強いインパクトを投資家に与えます。
そして相場は一瞬、指標を理解するためにパニックとなり、そうしたパニックは短期的に大きな値動きとなって反応するので注意が必要です。
3.経済指標はトレードの羅針盤
そこで続いては、一般的にはあまり語られていない、経済指標をトレードに活かす方法についてお話しさせていただきたいと思います。
経済指標でトレードの方向性を定める
多くの初心者トレーダーは、経済指標を短期的な相場に影響するものとして考えています。しかし実際は、経済指標というものは、もう少し時間軸が長めの未来の相場にまで影響を与えていることが多いです。
そもそも、経済指標と言うのは基本的に1ヵ月前のデータ、つまり過去の経済データが発表されています。
そのため、経済指標発表の値動きというのは、「古い経済データを見ながら、現在の相場が過去のデータに対して辻褄が合っているか？」の答え合わせをしているようなものだとお考えください。
それは例えば、歩いてきた足跡を見ながら、今履いている靴と一致しているかの答え合わせをしているようなもので、後ろを振り返りながら現在へと繋がってきているかを確認しているようなものになります。
つまり、発表された経済指標の延長線上に今があり、その先には未来がある必要があります。
そのため、コロナや戦争など世界中を揺り動かすような大きな出来事が起こらない限りは、未来は指標と現在を結ぶ延長線上にあることになります。
あとは、その流れに従ってトレードをする事で、相場の流れに従うことができると言う訳です。
特に、日足ベースで取引をされていらっしゃるトレーダーの皆様にとっては、この考え方や感覚はとても役に立つので、ぜひ、心の片隅で構いませんので置いておいて頂ければと思います。
4.まとめ
さて、今回は経済指標をFXトレードに生かす方法についてご紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか？初心者トレーダーの多くは、経済指標に関して現在の経済状況を示すデータだと考えていらっしゃる方が多いのですが、実際には過去のデータとなっています。
この感覚を持っているだけでも「なぜ指標はよかったのに為替は落ちてしまったの？」といったイレギュラーな相場展開に対しての理解に苦しむことなく、迅速に対応できるようになります。
また、経済指標によっては各国の政府サイトを見ると数字だけでなく、数字についてのバックグラウンドについても詳しい説明がされている場合もありますので、興味がある方は調べて頂ければと思います。
例えば「指標では就労状況が改善した」という発表となっていても、中身は「若者の就労状況は悪化していた」というケースもあるので、指標の中身の重要性を知って頂けるかと思います。
今回も西本の長いFXのお話に最後までお付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。
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