先週のドル円は、“ほぼ一方向”で値を落とす展開でした。
キッカケとなったのは「ディープシーク・ショック」に伴う“リスク回避姿勢”でしたが、その後を押したのは「トランプ関税」を巡る不透明感と「日銀早期利上げ観測」の台頭、そして米経済指標悪化に伴った「米利下げ観測」の再燃でした。
このうち「米利下げ観測」に関しては、先週末の「米雇用統計」が“懸念したほど悪くなかった”ことから後退した印象があります。
そうなると今後は「トランプ関税」「日銀早期利上げ観測」を巡る思惑が、マーケットを揺れ動かせると見るのが妥当ということになります。
今朝方にも『鉄鋼・アルミに25%関税賦課、10日から』と報じられたように、まだ留まるところを知らないというのが実状といえます。
そして「カナダ・メキシコの延期措置(1カ月)」に関しては、刻一刻と時間を費やしているのが実状となります。
ただ「米インフレ増大→米利下げ観測後退」と捉えられれば“金利選好→ドル買い”が促されやすいものの、「米中貿易戦争→世界経済減速」と捉えられるようなことがあると…?
「日銀早期利上げ観測」に関しては、政府-日銀で“認識に齟齬”が台頭している可能性が否めないところです。
このためどちらかが修正されると、“さらなる後押し or 急反転”となる可能性(リスクが)が増すことになります。
さらに景気動向を踏まえて「すぐには利上げしない(国内勢)」に対して、インフレ動向を背景に「日銀は利上げせざるを得ない(欧米勢)」という思惑のズレもあります。
こちらもどちらが優勢になるかで“乱高下”が否めないだけに…?
「日米金利格差」はすぐには縮小しませんので、“下値はしっかり”との見方に大きな変化は見られません。
ただ前記交錯を踏まえれば、“一方向への動意”は望みづらいと見るのが妥当です。
主だったイベントは通過しましたが、まだ“方向感定まらず”は継続と見ておく必要がありそうです。
“上を下へ”と振れる展開を、想定しながら…。
《12:45》
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